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N-KOOKセミナー 会合案内


次回2024年11月会合

日時:
11月30日(土) 13:30 -- 15:40
会場:
奈良女子大学  数学大講義室 C432

講演者1 (13:30~14:30):
大家 佳奈子 氏(奈良女子大学)
題目:
T.B.A.
アブストラクト:
T.B.A.
講演者2 (14:40~15:40):
甲斐 涼哉 氏(大阪公立大学)
題目:
T.B.A.
アブストラクト:
T.B.A.

注意:
当日は,奈良女子大学において「 岡シンポジウム」が開催されています. こちらにも参加する場合は事前登録が必要です.



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2024年10月会合

日時:
10月19日(土) 13:00 -- 17:30
会場:
立命館大学 大阪いばらきキャンパス   AN110

講演者:
安田 順平 氏 (大阪大学)
題目:
ブレイド状曲面と曲面絡み目のプラット表示について
アブストラクト:
ブレイド状曲面は4次元球体内の曲面であって円板上の分岐被覆構造を持つものである。 ブレイド状曲面はブレイドシステムと呼ばれるブレイドの共役元の組を用いて特徴付けられる。 またブレイド状曲面はチャートと呼ばれる円板上の有限グラフによって表示することができる。 そしてチャートからブレイドシステムを構成することができる。 これによりブレイド状曲面の代数的・図式的な性質をチャートを用いて取り扱うことが可能となる。

本講演ではブレイド状曲面とチャートに関する基礎事項について述べた後、ブレイド状曲面を用いた曲面絡み目の表示であるプラット表示について得られた結果を紹介する。 時間が許せば、中村伊南沙氏(佐賀大学)との共同研究によって導入したブレイド状曲面の一般化について紹介する。



拡大KOOKセミナー2024

日時:
8月20日(火) - 8月23日(金)
会場:
あいめっせホール (兵庫県姫路市)



2024年 6月会合

日時:
6月15日(土) 午後1時半から
会場:
大阪産業大学 梅田サテライト (大阪駅前第3ビル19階))

講演者:
福田 瑞季 氏(東北大学/MathAM-OIL)
題目:
Branched twist spin の orbifold 群を用いた判別
アブストラクト:
Branched twist spin とは,4次元球面上の円作用で不変な2次元球面のことである. 一般に固定点が2点であるような4次元球面上の円作用が与えられたとき, その特異集合の像は1次元結び目をなす. 一方で,1次元結び目にウェイトを与えると,それに対応した4次元球面上の円作用を構成できるため, branched twist spin は 1次元結び目とそのウェイトにより特徴づけできる. これにより, branched twist spin の結び目群は1次元結び目の結び目群とそのウェイトを用いて記述できる. 本講演では,branched twist spinの結び目群を center で割った商群が, 同じウェイトをもつ orbifold の基本群と一致することを説明し, orbifold 群の性質を用いて branched twist spin の判別を行う. 本研究は石川昌治氏(慶應義塾大学)との共同研究である.



2024年 5月会合

日時:
5月18日(土) 午後1時半から
会場:
奈良女子大学 理学系C棟 4階大講義室(C432)

講演者:
岡崎 真也 氏(奈良教育大学)
題目:
種数2のハンドル体結び目の内在的境界絡み目のアレクサンダー多項式
アブストラクト:
3次元球面に埋め込まれた種数2のハンドル体を種数2のハンドル体結び目という。 種数2のハンドル体結び目をそれ自身に適切に埋め込まれた円板で切り開いて3次元球面内で絡まった2つのソリッドトーラスが得られたとき、これを絡み目とみなし種数2のハンドル体結び目の内在的絡み目という。 本講演では内在的境界絡み目を許容する種数2のハンドル体結び目のアレクサンダー多項式の特徴を紹介する。 この特徴により、特に種数2のハンドル体結び目の全ての内在的分離絡み目の(d番目の)アレクサンダー多項式は等しいことが示せる。



2024年 4月会合

日時:
4月20日(土) 午後1時半から
会場:
近畿大学東大阪キャンパス 31号館

講演者:
姫野 圭佑 氏 (広島大学)
題目:
Upsilon不変量が下に凸な双曲的結び目の構成   【講演資料 (PDF 235KB)】
アブストラクト:
3次元球面内の結び目に対し,Upsilon不変量と呼ばれるknot Floer homology理論由来のコンコーダンス不変量が定まる.それは連続で区分線型な閉区間[0,2]上の関数である. BorodzikとHeddenはL-space knotのUpsilon不変量は下に凸な関数になることを示し,Upsilon不変量が下に凸になる結び目はどのようなものかという問いを与えた. L-space knot以外にalternating knot,より一般にFloer thin knotも適切に鏡像を考えればUpsilon不変量が下に凸となる. また,連結和を用いることでも下に凸なUpsilon不変量を持つ結び目は量産できる. 本講演では,これらの例に当てはまらないUpsilon不変量が下に凸となる結び目を構成したのでそれを紹介する.



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2023年12月会合

日時:
12月16日(土) 午後1時半から
会場:
大阪公立大学文化交流センター

講演者:
久保田 肇 氏 (京都大学)
題目:
knot Floer homologyの連結和公式の組み合わせ的な証明
アブストラクト:
grid homologyとはknot Floer homologyと同型な、結び目の組み合わせ的な不変量である。 grid homologyによって、高級な幾何の理論から定義されるknot Floer homologyを幾何的な議論をせず組み合わせ的に計算できる。 そのため、knot Floer homologyで得られた結果がgrid homologyの組み合わせ的な議論のみで示せるかどうかは興味深い問題である。 本講演では、grid homologyの概要と定義(計算アルゴリズム)を紹介し、knot Floer homologyの結び目の連結和公式をgrid homologyの枠組みで証明することを目標とする。



2023年11月会合

日時:
11月18日(土) 午後1時半から
会場:
大阪公立大学文化交流センター

講演者:
清水 達郎 氏 (東京電機大学)
題目:
Chern-Simons摂動論と,その視点から見たReidemeister torsion
アブストラクト:
Chern-Simons摂動論は3次元多様体とその基本群の表現の組に対する無限個の不変量で, 物理の範疇であるChern-Simons量子場の理論から汲み取られる数学のひとつである. 同じくChern-Simons量子場の理論を起源とする量子不変量やKontsevich不変量, LMO不変量の兄弟といえる不変量である. Chern-Simons摂動論,特にその構成の核となる配置空間積分と呼ばれる手法は, その背景の数理物理を離れ,低次元にまつわる様々な数学に新しい視点を与えている. 例えばCasson不変量,long knotあるいは埋め込みの不変量,多様体の微分同相群など. 本講演ではまずChern-Simons摂動論の構成を概観する. その後,Chren-Simons摂動論の視点からReidemeister torsionを解釈する進行中の研究について紹介する. 本研究は北野晃朗氏(創価大)との共同研究である. Chern-Simons摂動論の研究は1990年代に盛んであって, 今では直接的な産物たる不変量そのものは古典といえるかもしれない. しかし,その構成や考え方はまだまだ面白い数学のヒントを与えてくれると考えている.



2023年10月会合

日時:
10月28日(土) 午後1時半から
会場:
大阪公立大学文化交流センター

講演者:
佐藤 健治 氏 (玉川大学)
題目:
バナッハ・タルスキーのパラドックスとその周辺
アブストラクト:
バナッハ・タルスキーのパラドックスとは、 「3以上の次元のユークリッド空間内の内点を持つ任意の有界集合2つは、 片方を有限個に分解して、各片を合同変換で移動して、組み立て直してもう片方を作成できる」 という定理である。体積の異なる集合でも可能であり、奇妙な結果なのでパラドックスと呼ばれる (非可測集合へ分解しているため矛盾はしていない)。 証明に選択公理が用いられるため選択公理を認めない理由として語られることが多いが、 選択公理は本質的な原因ではない(と講演者は考える)。WagonとTomkowicz による書籍The Banach-Tarski Paradoxの第2版の、講演者による翻訳がこの春に出版された。 このパラドックスとその周辺の話題をいろいろ紹介したい。

Speaker:
Benjamin Bode 氏 (Spanish National Research Council)
Title:
Ultraknots and limit knots
Abstruct:
A knot is the image of a smooth embedding f of the circle into 3-dimensional Euclidean space. The kth derivative of f again parametrises a loop, but not necessarily a knot, for all natural numbers k. In this talk I will show that every knot can be parametrised by a smooth map f such that every derivative of f parametrises a knot and every knot type appears in the resulting sequence of knots. We also study knot types that arise as limits of such sequences.



2023年 7月会合

日時:
7月1日(土) 午後1時半から
会場:
大阪公立大学(杉本キャンパス)数学大講究室(理学部棟E408)

Speaker 1 (13:30-14:30) :
Seonmi Choi 氏 (Kyungpook National University)
Title:
Braid form of immersed surface-links via singular marked graph diagrams
Abstract:
A marked graph diagram is an effective description for dealing with surface-links. Jabłonowski introduced a braid form for a surface-link using a marked graph diagram, called a surface singular braid.
In this talk, we will extent the concept of this braid form from surface-links to immersed surface-links using singular marked graph diagrams, which consist of classical crossings, marked vertices, and singular vertices. We will also discuss the structure of the set of singular marked graph diagrams in braid form.

Speaker 2 (14:40-15:40) :
Jieon Kim 氏 (Pusan National University)
Title:
Chs-graphs of immersed surface-links
Abstract:
An immersed surface-link is a closed surface immersed in 4-space such that the multiple points are transverse double points. Jabłonowski showed immersed surface-links can be described by singular marked graph diagrams, which are diagrams of finite spatial regular graphs with marked vertices and singular crossings. In this talk, we introduce several useful moves for enumeration of immersed surface-links and the simple graph with labeled edges, it is called a chs-graph. This is a joint work with Seonmi Choi.

Speaker 3 (15:50-16:50) :
Sang Youl Lee 氏 (Pusan National University)
Title:
General constructions of diquandles and related invariants for dichromatic links
Abstract:
A knot is a smooth simple closed curve in three-dimensional space and the disjoint union of n knots is called an n-component link. An n-component link with one of two different colors (labels) for each component is called a dichromatic link. Usually, the two colors (labels) are represented by “1” and “2”. A special class of dichromatic links is a class of links in the solid torus S^1\times D^2. So far, many invariants for classical links have been generalized to those for dichromatic links.
In this talk, we introduce an algebraic structure called a diquandle which is a set equipped with two quandle operations satisfying the right distributive laws. We discuss some general constructions and some properties of diquandles. We also discuss diquandle coloring invariants for dichromatic links and generalizations. This is a joint work with J. Kim and M. I. Sheikh.



2023年 5月会合

日時:
5月20日(土) 午後1時半から
会場:
大阪公立大学(杉本キャンパス)数学大講究室(理学部棟E408)

講演者:
軽尾 浩晃 氏 (学習院大学)
題目:
スケイン代数とその周辺
アブストラクト:
スケイン代数はカウフマン括弧を用いて定義される非可換代数であるが, 実際には指標多様体の座標環の量子化であることが知られている. その定義の単純さに反して量子タイヒミュラー空間や量子団代数などと密接に関係していることも知られており, スケイン代数の研究は低次元トポロジーに収まるものではない. さらに, 量子パラメータが1の冪根のときは, スケイン代数の有限次元表現は位相的場の理論や (曲面の微分同相写像に関する)体積予想などと関係しており, 表現論を理解することも意義深い. 前半ではスケイン代数の基礎と近年の動向を説明し, 後半では上で挙げた話題に関する自身の結果について紹介する.



2023年 4月会合

日時:
4月15日(土) 午後1時半から
会場:
大阪公立大学(杉本キャンパス)数学大講究室(理学部棟E408)

講演者:
和田 康載 氏 (神戸大学)
題目:
ブルンの性質をもつ溶接ストリング絡み目に対する有限型不変量の特徴づけ
アブストラクト:
溶接ストリング絡み目は, 3次元空間内のストリング絡み目の一般化にあたる概念である. Meilhan-Yasuharaは, W_k-同値と呼ばれる溶接ストリング絡み目全体のなす集合上の同値関係を定義し, 有限型不変量が反映する溶接ストリング結び目の幾何的な性質はW_k-同値により特徴づけられることを示した. 本講演では, Meilhan-Yasuharaの結果の拡張として, ブルンの性質をもつ溶接ストリング絡み目に対して, その有限型不変量の幾何的および代数的な特徴づけを与える. この特徴づけは, ブルンの性質をもつ溶接ストリング絡み目のW_k-同値類を, ミルナー不変量により分類することで得られる.



2022年の会合

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2022年12月会合

日時:
12月17日(土) 午後1時半から オンライン開催
https://us05web.zoom.us/j/86264151346?pwd=K3NqUHJKdVBSd0crTkpMUzh2dDl4QT09

講演者:
平澤 美可三 氏 (名古屋工業大学)
題目:
2橋結び目の強対合で不変なザイフェルト曲面の最小種数
(作間誠氏(大阪公立大学)、日浦涼太氏(犬山南高校)との共同研究)
アブストラクト:
 R^3 内の結び目 K が 強対合結び目(strongly invertible knot)であるとは, ある直線に関する \pi 回転 h で K を集合として保ちながら向きを逆転できることをいう. 強対合結び目について,h で保たれるザイフェルト曲面を不変曲面と呼び,その存在が 知られているが,それが K の最小種数を実現するとは限らない.また,不変曲面の 最小種数の決定および判定も厄介である.(ただし,ファイバー結び目については, ファイバー曲面が不変曲面となり最小種数を実現する.)  今回はこの話題に関して,作間先生と日浦涼太 氏との共同研究の結果を紹介する. 成果として,2橋結び目に関して不変曲面の最小種数を決定した. 正確には S^3 内で考え,不変曲面は回転軸の一つのサブアーク d を含むので,強対合 h とサブアーク d の選択毎に不変種数 g(K, h, d) を決定する.一般に2橋結び目は4種類の 不変種数をもち,それらとスタンダードな種数の差はいくらでも大きくできる.  講演の流れは,(i) 今回開発した不変種数の決定に役立つ一般的な手法の紹介 (ii) 2橋結び目の様々な不変種数の具体的な構成 (iii)縫い目付き多様体 (sutured manifold) を用いた最小性の証明 (iv) 応用と今後の期待 とする予定です.



2022年11月会合

日時:
講演者:
佐野 岳人 氏 (理化学研究所)
題目:
A family of slice-torus invariants from the divisibility of reduced Lee classes
アブストラクト:
We introduce a family of slice-torus invariants, parametrized by a domain $R$ and an element $c$ in $R$, obtained from the divisibility of the Lee classes (or the `canonical classes') in reduced Khovanov homology. It is proved that these invariants include Rasmussen’s $s$-invariant over any field $F$. Moreover computational results show that the invariants for $(R, c) = (\mathbb{Z}, 2)$ and for $(R, c) = (\mathbb{Z}, 3)$ are disinct from Rasmussen’s $s$ over $\mathbb{Q}$. This is an ongoing joint work with K. Sato (Meijo univ.).



2022年10月会合

日時:
10月15日(土) 午後1時半から オンライン開催

講演者:
谷口 雄大 氏 (大阪大学)
題目:
ツイストスパン結び目の結び目カンドルについて
アブストラクト:
カンドルは結び目理論と相性の良い代数系であり, カンドルを用いることで 結び目カンドルと呼ばれる有向結び目の不変量が構成できる. 1次元結び目の結び目カンドルについては現在までに様々な研究が行われてきた一方で, 2次元結び目の結び目カンドルに関する研究はそれほど多くない. 本講演ではカンドルと結び目カンドルの基本事項を述べた後, ツイストスパン結び目と呼ばれる 2次元結び目の結び目カンドルについて 得られた結果を紹介する. 本研究は田中心氏 (東京学芸大学) との共同研究である.



2022年 6月会合

日時:
6月18日(土) 午後1時半から オンライン開催

講演者:
石橋 典 氏 (東北大学)
題目:
曲面の (量子) 幾何学とクラスター代数
アブストラクト:
本講演では、曲面のTeichmuller空間などの幾何学とクラスター代数との関係について 初歩的な部分から解説する。 初めにPenner (1986) による飾り付きTeichmuller空間上のλ-length座標の構成を概観し、 それらの座標間の関係から自然に現れるクラスター代数について触れる。 この例はFomin?Zelevinsky (2002) によるクラスター代数の定式化以前に現れ、 その理論の雛形のひとつとなったものである。 次に一般的なクラスター代数の定義と基本性質を述べた後、上記のクラスター代数が Fock?Goncharov (2006) により導入された「飾り付き捻れSL(2)-局所系のモジュライ空間」の 関数環と同型であることをみる。 最後に、クラスター代数の1-パラメータ非可換変形である量子クラスター代数と スケイン代数との関係について紹介する。 これらの話題の高階化の進展についても随所で簡単に紹介する。



2022年 5月会合

日時:
5月14日(土) 午後1時半から オンライン開催

講演者:
雪田 友成 氏 (早稲田大学)
題目:
双曲多面体の変形とコクセター系の空間について
アブストラクト:
d次元双曲空間の有限個の超平面で囲まれる内部が空でない閉集合をd次元双曲多面体という. 特に, 交わっている面のなす角(面角)がπ/mと表されるものを双曲コクセター多面体という. 双曲コクセター多面体の面に関する鏡映により生成される群は離散群となり, コクセター群とよばれる群になることが知られている. 本講演では, まず最初に双曲多面体の変形から得られる離散群の変形と局所剛性の問題について概説する. その後, 標識付き群の空間におけるコクセター系の収束に関して現在までに得られている結果について説明する.



2022年 4月会合

日時:
4月16日(土) 午後1時半から オンライン開催

講演者:
市原 一裕 氏 (日本大学)
題目:
Computations of invariants for knots not to have purely cosmetic surgeries
アブストラクト:
結び目の異なる2つのスロープに沿ったデーン手術で得られた3次元多様体対が, 向きまで込めて同相であるとき,そのデーン手術対を純矯飾的手術という。 純矯飾的手術を許容する結び目は自明なものしかないことが予想されており, 近年,ヒーガードフレアホモロジーや3次元多様体の有限型不変量を用いるなどのアプローチにより様々な研究が進められている。 本講演では,交代結び目とモンテシノス結び目について,結び目が純矯飾的手術を許容しないことを示すための結び目不変量の計算を例示しながら説明する。 本研究は鄭仁大氏(近畿大学)との共同研究である。



2021年の会合

2021年12月会合
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2021年12月会合

日時:
12月18日(土) 午後1時から オンライン開催

講演者(1):
松下 尚弘 氏 (琉球大学)
題目:
拡張不能な擬準同型のなす空間について
アブストラクト:
本研究は青山学院大学の川崎盛通氏、京都大学の木村満晃氏、 名古屋大学の丸山修平氏、東北大学の見村万佐人氏との共同研究である。
群 G の擬準同型とは、 G 上の実数値関数 f で、 |f(xy) ? f(x) ? f(y)| の値が有限の値で一様に抑えられるもののことをいう。 特に群 G の擬準同型 f で G の元 x と整数 n に対し f(x^n) = n f(x) を満たすものを斉次擬準同型という。 (斉次)擬準同型は群 G の二次の有界コホモロジーと密接に関係しており、 幾何学的群論において精力的に研究されている。
N を G の正規部分群とする。 N の斉次擬準同型 f が与えられたとき、 f が G 全体に斉次擬準同型として拡張できるか否かという問題を考える。 斉次擬準同型は共役不変であることが知られており、 したがってもし f が G 全体に拡張できるならば、 f(gxg^{-1}) = f(x) が G の元 g と N の元 x に対し成立する。 この条件を満たす N の斉次擬準同型を、 G-不変であるという。
一般には G-不変な N の斉次擬準同型が G 全体に拡張できるとは限らない。 しかし G と N によっては G-不変な N の斉次擬準同型が G 全体に拡張できる場合もある。 いかなるとき拡張できるのか、あるいはできないのか、そして拡張できない場合は、 拡張できない G-不変な擬準同型が本質的にどの程度あるのかについて、 擬準同型に関する基本的なところから始めて最近の研究でわかったことについて概説する。

講演者(2):
野崎 雄太 氏 (広島大学)
題目:
クラスパー手術が定める準同型の核の構造
アブストラクト:
3次元多様体のクラスパー手術の文脈において, ホモロジーシリンダーと呼ばれるコボルディズムが自然に現れる. これは曲面の写像類群の部分群である Torelli 群やホモロジー同境群とも関係しており, 重要な研究対象である. それらの研究において,Jacobi 図と呼ばれるグラフのなす加群から ホモロジーシリンダーのなすモノイドの Abel 商への準同型が基本的な道具となる. 本講演では,この準同型に関連する研究を紹介し, 特にその核の構造に関して新たに得た結果を紹介したい. なお本講演は佐藤正寿氏(東京電機大学)と鈴木正明氏(明治大学)との共同研究に基づく.



2021年11月会合

日時:
11月20日(土) 午後1時から オンライン開催

講演者(1):
大場 貴裕 氏 (大阪大学)
題目:
ファイバー構造とシンプレクティック充填のトポロジー
アブストラクト:
与えられた接触多様体を境界にもつシンプレクティック多様体を, その接触多様体のシンプレクティック充填という. シンプレクティック充填はLefschetzファイバー空間などのファイバー構造との相性がよく, これを用いてシンプレクティック充填を分類できたり無限個構成できたりする. 今回の発表では,シンプレクティック充填とファイバー構造との対応関係を概説し, その後,4次元とそれ以上の次元での結果について発表者の結果も含めながら紹介する.

講演者(2):
伊藤 哲也 氏 (京都大学)
題目:
Cosmetic crossing 予想の現状
アブストラクト:
結び目を交差交換して同じ結び目となるような交点はnugatory crossingに限るだろう、 というのがCosmetic crossing 予想である。 この講演では、講演者の最近の研究を踏まえ、 cosmetic crossing予想の現状と(現在用いられている)アプローチについて説明する。



2021年10月会合

日時:
10月23日(土) 午後1時から オンライン開催

講演者(1):
寺垣内 政一 氏 (広島大学)
題目:
Identifying non-pseudo-alternating knots by using the free factor property of minimal genus Seifert surfaces
アブストラクト:
MaylandとMurasugiが1976年に導入したpseudo-alternating knotという概念がある. それは,alternating knotを含む広いクラスである. primitive flat surfaceとよばれるSeifert surfaceを村杉和して得られる曲面の境界として定義される. したがって,pseudo-alternating knotを構成することは容易だが, 与えられた結び目がpseudo-alternatingかどうかを判定することは一般には困難である. この講演では,最小種数Seifert surfaceのもつfree factor propertyという性質に着目して, ある種のpretzel knotがpseudo-alternatingでないことを示す. これにより,特に,rationally homologically fibered knotではあるが pseudo-alternatingではない結び目の存在を,任意の種数に対して確認できる. 議論の一端をになう最小種数Seifert surfaceの一意性については, 小林毅氏によるsutured manifold theoryを用いた議論を援用する.
(姫野圭佑氏(広島大学大学院先進理工系科学研究科)との共同研究)

講演者(2):
野坂 武史 氏 (東京工業大学)
題目:
ノヴィコフ環のK_1群に値を持つ捩れAlexander不変量
アブストラクト:
捩れAlexander不変量はWadaやLinによって定義され、暫時発展し研究されてきた。 但しその定義は結び目群の線形表現に関する不変量でもあった。 2,3年前の仕事になるが、講演者は結び目群からの任意の群準同型から定義できる不変量を、 ノヴィコフ環やK_1群を用い定義した。 本講演ではノヴィコフ環やK_1群に関して基本事項から紹介し、 この不変量の長所・短所と簡単な応用を説明する。 例えば有限群表現や巡回被覆空間やファイヴァー性との相性や、 ライデマイスタートーションと関係なども触れたい。



2021年6月会合

日時:
6月19日(土) 午後1時から オンライン開催

講演者(1):
田中 心 氏 (東京学芸大学)
題目:
結び目彩色多項式と1-タングルのカンドル彩色不変量について
アブストラクト:
カンドルは群の共役演算が持つ性質に着目した代数系であり、結び目理論と相性がよい。 Eisermannは2007年に結び目群から有限群への表現を用いて有向結び目不変量を定義し、 Clark-Dunning-Saitoらは2017年に1-タングルの結び目カンドルから有限カンドルへの表現を用いて有向結び目不変量を定義した。 前者は「結び目彩色多項式」と呼ばれている。 後者の名称は特にないようなので、今回は「1-タングルのカンドル彩色不変量(またはCDS不変量)」と呼ぶことにする。 両者は共に「カンドル2-コサイクル不変量」と呼ばれる有向結び目不変量の一般化であることが知られている。 そこで本講演ではこれら二種類の不変量の間の関係を調べる。

講演者(2):
合田 洋 氏(関西大学)
題目:
リンドン語と結び目論的ゼータ
アブストラクト:
有限グラフの非周期的サイクルの代数的対応物であるリンドン語というものを紹介します。 結び目ダイヤグラムからある操作で有限グラフを構成し、 佐藤-三橋-森田による伊原ゼータ関数の一般化であるグラフのゼータ関数や結び目理論への応用を考察します。



2021年5月会合

日時:
5月15日(土) 午後1時から オンライン開催

講演者(1):
北山 貴裕 氏 (東京大学)
題目:
リボンコンコーダンスとねじれAlexander多項式
アブストラクト:
結び目のリボンコンコーダンスの研究へのねじれAlexander多項式の応用について紹介する。 特に、非自明なAlexander多項式を持つ任意の結び目Kに対して、次のような結び目の無限族が存在することを説明する。 それらの結び目は全てKのものと同型なSeifert形式を持ち、Kとコンコーダントであるが、どの二つの結び目の間にもリボンコンコーダンスは存在しない。 証明の鍵の一つは、任意のリボンコンコーダンスとその補空間の基本群の表現に対して、一方の結び目のねじれAlexander多項式が他方のものを割り切ることである。 本講演はStefan Friedl氏、Lukas Lewark氏、Matthias Nagel氏、Mark Powell氏との共同研究に基づく。

講演者(2):
和久井 道久 氏 (関西大学)
題目:
フリーズパターンと祖先三角形を通じて考察する有理絡み目のトポロジー
アブストラクト:
ConwayとCoxeterにより1970年代初頭に導入された、数の繰り返し模様(フリーズパターン)は近年クラスター代数との関係で注目を集めている。 このConway-Coxeterフリーズのうち、1で囲まれた基本領域を持つものはジグザグ型と呼ばれ、1より小さい正の有理数の四つ組と対応する。 Conway-Coxeterフリーズはまた多角形の三角形分割と対応し、ジグザグ型の場合、対応する三角形分割は、1995年頃に京都産業大学の山田修司先生により導入された有理数の祖先三角形と見ることができる。 祖先三角形は、19世紀中頃にSternとBrocotが独立に研究した、有理数を頂点とする二進木を使うと自然に理解することができる。

本講演では、Conway-Coxeterフリーズ、祖先三角形、Stern-Brocot木と有理絡み目の間の関係を概説したのち、 特に、有理絡み目のConway-Coxeterフリーズを用いた特徴づけと、Morier-GenoudとOvsienko により導入された q-Farey和の新しい計算方法の紹介およびその応用について話す予定です。 本講演の内容は城西大学の小木曽岳義先生との共同研究を含みます。



2021年4月会合

日時:
4月17日(土) 午後1時から オンライン開催

講演者(1):
村尾 智 氏 (早稲田大学)
題目:
ハンドル体結び目のf-ねじれAlexander不変量とk-同値類
アブストラクト:
結び目のAlexander多項式とは、結び目群の表示における各関係式を 各生成元で自由微分して得られるAlexander行列において、その行列式を 計算することで得られる代表的な結び目不変量である。 本講演では、多重共役カンドルのf-微分を導入し、ハンドル体結び目の 基本多重共役カンドルの表示における各関係式を各生成元でf-微分することで、 f-ねじれAlexander行列を定め、ハンドル体結び目f-ねじれAlexander不変量を構成する。 ここで、多重共役カンドルとは、ハンドル体結び目のReidemeister変形に 由来する代数系である。 また、当不変量の応用として、ハンドル体結び目のk-同値類の分類例を与える。 本研究は石井敦氏(筑波大学)との共同研究である。

講演者(2):
安部 哲哉 氏 (立命館大学)
題目(前半):
On "fake" amphicheiral knots
アブストラクト:
Kを3次元球面内のamphicheiral 結び目とする。 このとき「全ての有理数rに対して」Kに沿ったr-surgeryと-r-surgeryの間に、 向きを逆にする同相写像が存在する。 この講演では、次の性質を持つ結び目を構成する:
「全ての有理数rに対して」r-surgeryと-r-surgeryの間に、向きを逆にする 同相写像が存在する。
手法としては、Abe-Jong-Luecke-Osoinachによって 導入されたアニュラスツイストの一般化を用いる。 この方法で得られた結び目が必ずamphicheiralになるかどうかは、 いまのところわかっていない。
題目(後半):
Manolescu-Piccirilloの論文の解説
アブストラクト:
Manolescu-Piccirilloのpreprint 「From zero surgeries to candidates for exotic definite four-manifolds」 を講演者が理解している範囲で解説する。 「前半の講演の手法」との関係に重点を置く。



2020年の会合

2020年12月会合
2020年11月会合
2020年10月会合
拡大KOOKセミナー2020
COVID-19の影響で2020年4月~6月の会合は全て中止となりました
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2020年12月会合

日時:
12月19日(土)
午後1時から
オンライン開催

講演者(1):
作間 誠 氏 (大阪市立大学、広島大学)
題目:
Non-free Kleiniain groups generated by two parabolic transformations
アブストラクト:
2つの放物変換により生成される捩れのないクライン群が自由群でないなら双曲2橋絡み目群であることが,1996 年にAdams により証明された. Agol は,この分類定理の捩れがある場合への拡張と放物的生成元対の分類を2002年にアナウンスした. 秋吉宏尚,大鹿健一,John Parker,吉田はんの4氏との共同研究[1],および相見俊介,Donghi Lee, 坂井駿介の3氏との共同研究[2]によりAgol のアナウンスに証明を与え,応用として,2橋結び目群の間の全射準同型は,本質的にOhtsuki-Riley-Sakuma 構成によるものに限ることを証明した. 本講演では,Agolの結果の詳細,証明のアイデア,関連する予想を紹介する.

参考文献

[1] H. Akiyoshi, K. Ohshika, J. Parker, M. Sakuma, H. Yoshida, Non-free Kleiniain groups generated by two parabolic transformations, Trans. A.M.S., to appear, arXiv:2001.09564
[2] S. Aimi, D. Lee, S. Sakai, M. Sakuma, Classification of parabolic generating pairs of Kleinian groups with two parabolic generators, Rend. Istit. Mat. Univ. Trieste, to appear, arXiv:2001.11662

講演者(2):
田神 慶士 氏 (水産大学校)
題目:
アニュラス表示から構成されるdualizableパターン
アブストラクト:
結び目の0-framingによって表される4次元多様体をその結び目の0-traceという。 「0-traceが4次元球面に埋め込み可能であることと、 その結び目がスライス結び目であることは同値である」という事実から、 0-traceは結び目のスライス性の判定、スライス・リボン予想、 結び目コンコーダンスなどの研究へ応用が期待される対象である。 本講演では、0-traceが等しい結び目の組(あるいは族)を作る手法として知られている、 アニュラス表示とdualizableパターンの関係を紹介する。 特に、 Miller-Piccirilloによって与えられた、 アニュラス表示からdualizable パターンを構成する方法と その周辺の話題について話したい。
本研究は安部哲哉氏(立命館大学)との共同研究を一部含む。



2020年11月会合

日時:
11月28日(土)
午前11時から
オンライン開催

講演者(1):11:00から12:00
石川 勝巳 氏 (京都大学)
題目:
カンドル彩色で見る結び目理論
アブストラクト:
10月分の続きで、結び目群の二面体群への表現のリフトに関する研究についてです。

講演者(2):13:00から
古宇田 悠哉 氏(広島大学)、直江 央寛 氏(中央大学)
題目:
Turaev のシャドウとその複雑度
アブストラクト:
シャドウとは 3 次元多様体の量子不変量の研究を進めていた V. Turaev により1990 年代前半に導入された道具である。 ものとしては、各面に半整数が付与された 2 次元の多面体であり、任意の 4 次元 2-ハンドル体を組み合わせ的に表示することができる。 これは同時に、シャドウによる任意の閉 3 次元多様体、閉 4 次元多様体の表示も可能であることを意味する。 シャドウの頂点数に着目することで定まる多様体の複雑度は、4 次元多様体論において系統的な数え上げの手法を提供する。 複雑度の低い多様体の分類により、異なる複雑度を持つエキゾチック多様体対が存在することも知られている。 一方 3 次元多様体論においては、この複雑度は双曲体積と密接に関係している。 シャドウはまた、安定写像、A’Campo のディバイドといった特異点論由来の諸概念と自然に関連づけられる。

本セミナーではシャドウの複雑度およびシャドウとこれら諸概念との関係に主眼を置きながら、下記のプランで講演を行う。

  1. シャドウとその複雑度 (古宇田)
  2. 3 次元球面を境界につ非輪状なコンパクト 4 次元多様体 (直江)
  3. シャドウと絡み目の安定写像 (古宇田)
  4. シャドウとディバイドの Milnor 束 (直江)

本講演の内容は, 石川昌治氏 (慶應義塾大学), 古谷凌雅氏 (広島大学), Bruno Martelli 氏 (ピサ大学) との共同研究を含む。



2020年10月会合

日時:
10月24日(土)
午後1時から (対面時の午後1時半ではありません)
オンライン開催

講演者(1):
鎌田 直子 氏 (名古屋市立大学)
題目:
Virtual linkとTwisted link
アブストラクト:
Twisted linkはvirtual linkの拡張であり、厚みのある(向きづけられていない場合も含んだ)閉曲面内のlinkの安定同値類に対応する。 Twisted link はダブルカバーを取ることにより、virtual linkと対応づけられるが twisted linkの不変量にはその対応づけられたvirtual linkの不変量に帰着するものがある。 一方、Twisted linkの分類表は2実交点のものについては2016年に講演者が発表した。3実交点の分類表は、大久保佳織、河田成人、清水昭信、講演者によるものがある。 この分類表のトピックスを中心にtwisted linkとvirutal linkの分類方法について報告する。

講演者(2):
石川 勝巳 氏 (京都大学)
題目:
カンドル彩色で見る結び目理論
アブストラクト:
カンドルは1980年代に導入されて以来、(曲面)結び目理論の研究や種々の不変量の発見に利用されてきた。 この多く、殊にその根幹を成すカンドル彩色に関しては結び目群とその周辺構造を用いた記述が可能であるにも関わらずカンドルが利用されてきたのは、 カンドル彩色の見やすさ・扱いやすさに依るところが大きいのではないかと思われる。

本講演では、カンドル彩色を用いることで問題を見通しよく捉えられるということを、 Alexander多項式の零点に関する研究(平澤美可三先生(名古屋工業大学)、鈴木正明先生(明治大学)との共同研究を含む)、 結び目群の二面体群への表現のリフトに関する研究という2つの例を通して説明したい。




2019年の会合

2019年12月会合
2019年11月会合
2019年10月会合
拡大KOOKセミナー 2019
2019年 6月会合
2019年 5月会合
2019年 4月会合
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2019年12月会合

日時:
12月 7日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
谷口 正樹 氏 (東大数理)
題目:
2-knotのSeifert hypersurfaceとChern-Simons汎関数
アブストラクト:
2-knot K(ここではC^∞とします)を与える時, Kの結び目補空間の基本群G(K)は, Kの最も基本的な不変量のひとつです. G(K)を幾何的に表現するひとつの方法として, Lie群Gを固定した時, 表現の同型類の空間 R(K, G)があります. この講演では, “oriented 2-knotに対するChern-Simons汎関数”cs_K : R(K, SU(2)) → (0,1] を導入し, その性質をYang-Millsゲージ理論を用いて調べていきます.

まず, cs_K について次の5つの基本的な特徴があります.

  • 1. Im cs_Kは, 有限集合となり, さらに2-knotのisotopy不変量となります.
  • 2. 『穴を開けた有向閉3次元多様体YからS^4への埋め込みを与えるとき, その境界として定まる2-knot KのChern-Simons汎関数の像 Im cs_K は, YのChern-Simons汎関数の像(臨界値) Im cs_Y に含まれる』という性質があります. YのことをKのSeifert hypersurfaceと呼びます.
  • 3. Im cs_K ∩ (0,1)が空でなければ, その個数の2倍分, knot補空間の基本群の既約なSU(2)表現(同型を除いて)が存在します.
  • 4. ribbon 2-knotに対しては, Im cs_K = {1}となります.
  • 5. 連結和公式, 結ぶ目の向きを逆にした時の公式があります.

また, Im cs_Kについて, twisted spun knotという2-knotのクラスについて, いくつかの計算を行いました. Torus knot, Montesinos knotのtwisted spun knotの場合には, Im cs_Kは, 手で計算できます.

主定理は, 『2-knot Kに対して, cs_Kを通して, (あるクラスの3次元多様体がSeifert hypersurfaceとして存在すること)と, (結び目補空間のSU(2)既約表現の存在)を結びつける』 というものです. 例えば, -Σ(2,3,6k-1)をSeifert hypersurfaceとして持つ2-knot Kに対して G(K)は既約なSU(2)表現を持つ, ということが示せます. (これは, Im cs_Kが, 1/24(6k-1) を含む, という定理の系として示されます) Freedmanの結果により, -Σ(2,3,6k-1)は, TOPの圏では閉多様体のまま, locally flatにS^4に埋め込まれることが知られています. これにより, TOPの圏では, -Σ(2,3,6k-1)はunknotのSeifert hypersurfaceとなります. すなわち, TOPの圏でこの主定理は偽であり, 2-knotの滑らかな構造を反映した繊細な定理であることがわかります. 主定理の証明は, 『フィルター付されたインスタントンFloerホモロジーにおけるLefschetzの不動点定理の類似』 を示すことによって行われます. この講演では, cs_Kの紹介, その応用に着目し, 話をさせていただきたいと思います.
(今回の講演の主な内容は, プレプリント, arXiv:1910.02234 に含まれています)



2019年11月会合

日時:
11月16日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
岡崎 真也 氏 (OCAMI)
題目:
ハンドル体結び目に内在する結び目について
アブストラクト:
3次元球面に埋め込まれたハンドル体をハンドル体結び目という。 種数2のハンドル体結び目をメリディアンディスクで切り開くと結ばれたソリッドトーラスが現れる。 これを結び目とみなし、ハンドル体結び目に内在する結び目という。 本講演ではハンドル体結び目4_1に焦点をあて、 結び目がハンドル体結び目4_1に内在する結び目であるための必要条件を与える。



2019年10月会合

日時:
10月26日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
馬場 伸平 氏 (大阪大学)
題目:
CP^1-structures on compact Riemann surfaces and their holonomy varieties.
アブストラクト:
A CP^1-structure is a geometric structure on a Riemann surface, and, for example, the ideal boundary of a hyperbolic three-manifold has a CP^1-structure. In particular, the holonomy of a CP^1-structure is a homomorphism from the fundamental group of the base surface into PSL(2, C), and the set of such homomorphisms (roughly) up to conjugation is called the character variety.

The set of CP^1-structures on every compact Riemann surface property embeds into the character variety onto a half-dimensional complex analytic submanifold. In this lecture, we first recall some basics of CP^1-structures, including a cut-and-paste operation, called grafting. Then discuss some further properties of the submanifolds of the character variety.



2019年 6月会合

日時:
6月15日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
滝岡 英雄 氏 (神戸大学)
題目:
結び目の$\Gamma$多項式とそのケーブル化不変量について
アブストラクト:
$\Gamma$多項式は, 結び目の2変数多項式不変量であるHOMFLYPT多項式とKauffman多項式の共通の零番係数多項式である. 一般に, 互いに素な整数 p(>0), q に対して, 与えられた結び目不変量から (p,q)ケーブル化不変量が得られる. 本講演では, $\Gamma$多項式の (p,q)ケーブル化不変量に着目し, 特に p=1,2,3 の場合について, これまでに得られた結果を紹介する.



2019年 5月会合

日時:
5月18日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
安田 智之 氏 (奈良工業高等専門学校)
題目:
アレキサンダー多項式による結び目の複雑さの評価
アブストラクト:
二次元リボン結び目の不変量である「リボン交差数」を評価する方法として、 アレキサンダー多項式の次数(最高次数と最低次数との差)を用いて評価する方法が知られている。 今回新たに、アレキサンダー多項式の係数を用いて評価する方法を得たのでそれを紹介する。 加えて、この方法が一次元結び目の不変量である「交点数」の評価にも適用できることを示す。



2019年 4月会合

日時:
4月20日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
和田 康載 氏 (大阪大学)
題目:
Milnor不変量と2n-moveについて
アブストラクト:
現在までに,Alexander,Jones,HOMFLYPT多項式などの絡み目不変量と2n-moveとの関係が明らかにされてきた. 本講演では,Milnor不変量と2n-moveとの関係を紹介する. より詳しく述べると,2n-moveとリンクホモトピーを組み合わせた同値関係によるストリング絡み目の分類が, Milnor不変量を用いて与えられるという結果を紹介する. 本研究は,宮澤治子氏(津田塾大学),安原晃氏(早稲田大学)との共同研究である.



2018年の会合

2018年12月会合
2018年11月会合
2018年10月会合
拡大KOOKセミナー2018
2018年 6月会合
2018年 5月会合
2018年 4月会合
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2018年12月会合

日時:
12月15日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪産業大学 梅田サテライトキャンパス
講演者:
斎藤 敏夫 氏 (上越教育大学)
題目:
High distance knots in handlebodies and their applications
アブストラクト:
任意の向き付け可能閉3次元多様体に対して, 十分に高いHempel距離のHeegaard分解を許容する結び目の存在が知られている. 本講演では,ハンドル体内の結び目で, 十分に高いHempel距離のHeegaard分解を許容するものが存在することを確認する. 応用として,結び目の(一般化)タングル分解とトンネル数に関する, ある基本不等式に対して,等号が成立するような結び目が存在することを報告する.



2018年11月会合

日時:
11月10日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
神戸薬科大学 地域連携サテライトセンター
講演者:
石井 敦 氏 (筑波大学)
題目:
Fox calculus on quandle presentations
アブストラクト:
群が与えられたとき,群表示に対して Fox calculus を行うことで,行列を得ることができます. 同型な群から得られる行列は同値であり,その行列式は群の不変量を与えます. 特に,結び目補空間の基本群からはアレクサンダー多項式が得られます. 本講演では,群を一般化した概念であるカンドルに対して Fox calculus を定義し,不変量を与えます. 本研究は,大城佳奈子氏との共同研究です.



2018年10月会合

日時:
10月 6日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪工業大学 梅田キャンパス  セミナー室 201
講演者:
吉田 はん 氏 (奈良工業高等専門学校)
題目:
Commensurability of ideal hyperbolic Coxeter 3-cubic groups
アブストラクト:
2016年に M. Jacquemet は ideal hyperbolic Coxeter 3-cubic groups 7 個を決定し, このうち4個は arithmetic で互いに incommensurable であることを示したが, 残りの3個の non-arithmetic Coxeter 3-cubic groups が commensurable かどうかは決定できていない. この講演では,この3個の non-arithmetic Coxeter 3-cubic groups が互いに incommensurable であることを体積比を用いて示す.



2018年 6月会合

日時:
6月16日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
久野 恵理香 氏 (大阪大学)
題目:
写像類群に埋め込まれる道グラフの補グラフの right-angled Artin 群について
アブストラクト:
本研究は広島大学の片山拓弥氏との共同研究である $\Gamma$ を有限グラフでループも多重辺も持たないものとする. 2015年に Kim-Koberda が,任意の有限グラフ $\Gamma$ に対して,ある正の整数 $p$ が存在して, $\Gamma$ の right-angled Artin 群 $A(\Gamma)$ は純ブレイド群 $PB_{p}$ の部分群となることを示した. 純ブレイド群 $PB_{p}$ はブレイド群 $B_{p}$ の部分群であり, ブレイド群 $B_{p}$ は,$p$個 puncture 付き円板の写像類群と見なせることに注意する. Kim-Koberda の結果を受け、与えられたグラフ $\Gamma$ に対して, $A(\Gamma)$ が $PB_{p}$ や $B_{p}$ の部分群となる $p$ の条件は何か、 更に一般に、$A(\Gamma)$ が向き付け可能曲面 $S$ の写像類群の部分群となる $S$ の条件は何か、という問題を考えた. 本講演では,道グラフの補グラフに関して上記の問題を解決することに成功したので,それを報告する.



2018年 5月会合

日時:
5月19日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
新國 亮 氏 (東京女子大学)
題目:
8頂点完全グラフの結び目内在性について
アブストラクト:
空間7頂点完全グラフが必ず非自明結び目を含むという事実は, Conway-Gordonの定理としてよく知られており, この定理がグラフの結び目内在性の研究を開花させ, 現在に至るまで活発に研究されている. この講演では, より一般の頂点数の完全グラフの結び目内在性について得られた結果を紹介する. 特に講演者による「精密化Conway-Gordonの定理」の応用により, 8頂点完全グラフの結び目内在性について, 興味深い結果を幾つか得たので,それらを報告する. これら内容の一部は森下央子氏(東京女子大学)との共同研究である.



2018年 4月会合

日時:
4月21日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
河村 建吾 氏 (大阪市立大学数学研究所)
題目:
はめ込み球面結び目の3重点数について
アブストラクト:
曲面結び目の3重点数は古典的結び目の交点数の類似として知られている. 一般に3重点数を決定および評価することは容易ではない. 佐藤進氏(神戸大学)は3重点数が1,2または3となる埋め込み球面結び目が存在しないことを証明した. 本講演では自己交差点を1個持つはめ込み球面結び目についても同様な結果が成り立つことを紹介する.



2017年の会合

2017年12月会合
2017年11月会合
2017年10月会合
拡大KOOKセミナー2017
2017年 6月会合
2017年 5月会合
2017年 4月会合
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2017年12月会合

日時:
12月 9日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
小鳥居 祐香 氏 (理化学研究所・大阪市立大学数学研究所)
題目:
On virtual C_n-moves on virtual knots
アブストラクト:
A $C_n$-move is a family of local moves on knots, which gives a topological characterization of finite type invariants of knots. We extend the $C_n$-move to long virtual knots by using the lower central series of the pure virtual braid, and call it an $C_n$-move. We then prove that for long virtual knots an $C_n$-equivalence generated by $C_n$-moves is equal to $n$-equivalence, which is an equivalence relation on (long) virtual knots defined by Goussarov-Polyak-Viro. Moreover we directly prove that two long virtual knots are not distinguished by any finite type invariants of degree $n-1$ if they are $C_n$-equivalent, for any positive integer $n$.



2017年11月会合

日時:
11月11日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
鎌田 聖一 氏 (大阪市立大学)
題目:
仮想交点を許したdoodleとその表示
アブストラクト:
doodleはFennとTaylorにより1979年に導入され、Khovanovにより1997年に再定義された概念で、多重点は2重点のみであるような球面上の(いくつかの)閉曲線のホモトピー類のことである。 われわれは、さらに、全空間を一般種数の曲面に拡張した曲面上の doodle を考え、一方、全空間は球面のままで仮想交点を許したdoodleへの拡張を考える。 これらの間には自然に1対1の対応がある。 仮想doodleのminimalな代表元が一意的に定まることも示される。 また、doodleは交換子がなす等式を導く事などを紹介する。 この研究は、A. Barthlomew氏、R. Fenn氏、鎌田直子氏との共同研究である。



2017年10月会合

日時:
10月14日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
神戸薬科大学地域連携サテライトセンター
講演者:
遠藤 久顕 氏 (東京工業大学)
題目:
4次元多様体のtrisection入門
アブストラクト:
3次元多様体のHeegaard分解は、与えられた3次元多様体を互いに微分同相な 2つのハンドル体に分解することであった。2012年にGayとKirbyによって導入された 4次元多様体のtrisectionは、与えられた4次元多様体を互いに微分同相な 3つの4次元ハンドル体に分解する操作である。この講演では、4次元多様体の trisectionの定義を述べた後、trisectionのdiagramや簡単な具体例を紹介し、 trisectionの安定化やGayとKirbyによるtrisectionの存在と一意性に関する結果を述べる。 また、trisectionに関するこれまでの諸研究を概観する。



2017年 6月会合

日時:
6月17日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
Speaker:
Delphine Moussard (RIMS, Kyoto University)
Title:
Splitting formulas for the rational lift of the Kontsevich integral
Abstract:
Kricker defined an invariant of knots in homology 3-spheres which is a rational lift of the Kontsevich integral, and proved with Garoufalidis that this invariant satisfies splitting formulas with respect to a surgery move called null-move. Following the Cheptea-Habiro-Massuyeau's construction of a functorial LMO invariant for Lagrangian cobordisms, we define a functorial extension of the Kricker invariant. As an application, we obtain splitting formulas for this invariant with respect to null Lagrangian-preserving surgeries, a generalization of the null-move.



2017年 5月会合

日時:
5月20日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
Speaker:
J. Scott Carter (University of South Alabama)
Title:
Using Globular to perform diagrammatic calculations for classical and higher dimensional knots.
Abstract:
The talk will demonstrate the use of the web-based free program {\sc globular.science}. I will demonstrate a number of worksheets that I have developed which allow us to work with classical knots, knotted surfaces, surface braids, and 3-dimensional braids. The essence of the program is to imagine that certain critical points can be realized as $n$-morphisms in an $n$-category. Several of the desired moves are hard-wired within the software. Others can be manufactured by the user. I'll show how to construct a template to manipulate both classical knots and knotted surfaces. Finally, I plan to demonstrate some braided 4-manifolds in 6-dimensional space.



2017年 4月会合

日時:
4月15日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
安部 哲哉 氏 (立命館大学理工学部)
題目:
アニュラスツイストとコンタクト構造
アブストラクト:
与えられた$S^3$内のファイバー絡み目に対して、 $S^3$のコンタクト構造を対応させることができる(Thurston-Winkelnkemperの構成)。 この講演では、まず、上の事実を説明する。そのあとで、 (ある特定の)$S^3$内のファイバー結び目にアニュラスツイスト(又はストーリングスツイスト) を施したとき、対応するコンタクト構造がどのように変化するのかを調べる。 また、それらのホッププラミングの構造の変化も調べる。 この研究は、東京理科大学の田神慶士氏との共同研究である。



2016年の会合

2016年12月会合
2016年11月会合
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2016年12月会合

日時:
12月10日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
平澤 美可三 氏 (名古屋工業大学)
題目:
アレクサンダー多項式の零点について
アブストラクト:
絡み目のアレクサンダー多項式の研究において, 係数よりも,零点の配置に注目すると新しい性質が見えてくることがある. 例えば,交代結び目の場合には J.Hoste が「零点の実部は -1 より大きい」と予想している. 二橋結び目に限っても,アレクサンダー多項式の特徴付けは未解決であるが, 交代結び目の零点を大量にプロットした図と,二橋結び目に限定したものを比べると, 違いが見受けられ,その特徴を作るクラスも見つかり始めている. 零点の配置に関して興味深いクラスとして,「零点が全て実数である」や「単位円周上にある」 といった族がある.本講演では,特に樹状絡み目について,零点の状況が上で述べたものや, 「実数,または単位円周上にある」という性質について,それらを調べる手法や, それによって得られた結果(村杉邦男氏との共同研究)を紹介する.



2016年11月会合

日時:
11月12日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
山本 亮介 氏 (群馬大学)
題目:
曲面上の閉曲線の幾何的交差数について
アブストラクト:
曲面上の2つの単純閉曲線の幾何的交差数は、 2曲線の一方に沿ったDehn twistによる他方のhomotopy typeの変化の仕方と密接に関係するが、 この変化を捉える上で、曲面の基本群を(河澄氏により拡張された)Magnus展開することが有効である。 特に、Magnus展開先でのDehn twistの作用の仕方が河澄氏-久野氏の研究によって明示されていることが利用できる。

本講演では、1つ穴あき有向曲面の基本群上の、曲面の有理数係数1次元ホモロジー群に値をとるある2変数関数が、 Dehn twistのMagnus展開先での作用の分析から得られることを紹介する。 この関数の値は純粋に代数的に、かつ初等的に算出されることを具体例を交えて示し、 入力値が2つの単純閉曲線のhomotopy classであるとき2曲線の幾何的交差数に関する情報を持つこと、 入力値が1つのhomotopy classであるときには、そのclassが単純曲線を含むかどうかの判定に利用できることを説明する。



2016年10月会合

日時:
10月22日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
高尾 和人 氏 (京都大学 数理解析研究所)
題目:
結び目の橋位置と橋分解
アブストラクト:
結び目理論において「橋」のアイデアは基本的であるが、その定式化は一通りではない。 そのうち橋位置の概念は、空間内での結び目の位置として定義され、結び目理論の古来の観点に基づいている。 一方で橋分解の概念は、空間内の球面による結び目の分解として定義され、3次元多様体論に由来する観点に基づいている。 迂闊にも、これまで橋位置と橋分解は全く等価な概念として解釈されてきたように思われる。 本講演では、橋位置と橋分解のそれぞれ自然な同値類について考察し、それらに本質的な違いが現れることを指摘する。 また、Birmanによって知られている橋位置の安定同値定理に相当する、橋分解の安定同値定理の証明を与える。 本講演は張娟姫氏と小林毅氏と小沢誠氏との共同研究に基づくものである。



2016年 6月会合

日時:
6月18日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
鎌田 聖一 氏 (大阪市立大学)
題目:
カンドルのテンソル積と曲面絡み目の1-ハンドル
アブストラクト:
本講演では、カンドルのテンソル積と曲面絡み目の1-ハンドルについて述べる。 カンドルのテンソル積を導入し、2面体カンドルの場合に具体的に計算した結果を紹介する。 曲面絡み目の1-ハンドルは、曲面が有向で1-ハンドルにも向きがあるとき、 コアのホモトピー類と完全に対応することが、Kawauchi-HosokawaとBoyleによって示されている。 また、曲面が有向でない場合は、コアの足元の局所向きを込みにすれば、 対応が得られることがわかっている。 このことから、曲面結び目の場合には、 その結び目群の周辺部分群による両側剰余との対応が得られる。 しかし、成分数が2以上の曲面絡み目の場合は、周辺部分群が一意的に定まらず、 同様の議論が(可能ではあるが)面倒となる。 カンドルのテンソル積を使えば、曲面絡み目の成分数を気にすることなく、 見通しのよい議論が可能となる。これらについて紹介する。



2016年 5月会合

日時:
5月21日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
Speaker:
Andrei Pajitnov (Universite de Nantes)
Title:
Morse-Novikov theory and 2-knots
Abstract:
The classical Morse theory relates the critical points of a generic real-valued smooth function f on a manifold M with the topology of M. In 1980s S.P. Novikov initiated a generalization of this theory to the case of circle-valued Morse functions. In the first part of this talk we give a brief survey of the Morse-Novikov theory and its geometric applications. In the second part we develop the Morse-Novikov theory for the complements of 2-knots in the four-sphere. This is a joint work with Hisaaki Endo.



2016年 4月会合

日時:
4月16日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
福本 善洋 氏 (立命館大学)
題目:
2?タングルのトレースレスSU(2)表現について
アブストラクト:
本講演では、整係数3次元ホモロジー球体における2-タングルの補空間の基本群のトレースレスSU(2)表現空間の共役類全体からなる指標空間について述べる。 典型的な例として、3次元球面における結び目を2次元球面(Conway球面)によって内側の自明な2-タングルとその外側に分離したときの、その外側がこれに相当する。 特に、2-タングルの指標空間における双二面体表現全体を決定し、またトーラス結び目やプレッツェル結び目に対して上記の構成で得られる2-タングルの表現空間の構造について幾つか調べたことを紹介する。 ホモロジー球体の境界には4点穴空き球面の指標空間があり、これはpillowcaseと呼ばれる2次元球面軌道体で、この空間に「外側」の2-タングルの指標空間からの像が1次元複体として現れる。 一方、2次元球面の「内側」には自明な2-タングルがあり、その指標空間は、P. KronheimerとT. Mrowkaによる結び目の特異インスタントンホモロジーの観点から、M. Hedden-C. Herald-P. Kirkによって、そのホロノミー摂動とpillowcaseへの像が決定されており、「外側」と「内側」の像のラグランジュ交叉が、ちょうど可約インスタントン鎖複体の生成元に対応する。 本研究は、インディアナ大学のPaul Kirk氏とジョージア大学のJuanita Pinzon-Caicedo氏との共同研究である。



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2015年12月会合

日時:
12月19日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
作間 誠 氏 (広島大学)
題目:
2橋絡み目群のメリディアン生成系
アブストラクト:
Boileau-Zimmermann, Adamsにより, 2つのメリディアンで生成される絡み目群を持つ絡み目は2橋絡み目に限る事が示されている. 更にAdamsにより, 2元メリディアン生成系は有限種類しかないことが証明されている. 2002年にブダペストで開催された研究集会において, Ian Agolはこれらの結果を含む次の結果をアナウンスした.
(i) 2つの放物的変換により生成されるクライン群の分類.
(ii) 放物的変換による2元生成系の分類.
本講演の前半では, このアナウンスの内容を解説した後, small cancellation theoryおよびAlexander不変量を用いた(ii)の別証明へのアプローチ, および 2橋結び目群の間の全射への応用について述べる (Donghi Lee, 相見俊介との共同研究). 講演の後半では, AgolによるKlein combination theoremを用いた(ii)の幾何学的証明の解説を行う予定である.



2015年10月会合(2)

日時:
10月31日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
門田 直之 氏 (大阪電気通信大学)
題目:
写像類群における安定交換子長
アブストラクト:
群の元xを交換子の積であらわしたときの, 交換子の最小個数を交換子長と呼ぶ. さらに, xのn乗の交換子長をnで割り, その値の(nを無限に飛ばしたときの)極限を安定交換子長と呼ぶ. この定義から, 安定交換子長は, 単位元からどれだけ複雑なのかを表すノルムのようなものとも思える.

安定交換子長の理論は, 群の有界コホモロジーや幾何学的群論などに 密接に関係しており, 近年活発に研究されている研究対象である. 本講演では, 交換子長・安定交換子長の幾何学的な解釈を説明し, 写像類群における安定交換子長の結果を説明したい. 特に, Dehn twistの安定交換子長について得られた結果を紹介する. 本講演の内容は, 九州大学の吉原和也氏との共同研究に基づく.



2015年10月会合(1)

日時:
10月3日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
古宇田 悠哉 氏 (広島大学)
題目:
3次元多様体の安定写像と分岐シャドー
アブストラクト:
安定写像とは,Morse 関数の一般化にあたる概念である. 本講演では,3 次元多様体から実平面への安定写像の特異ファイバーの数により 3次元多様体の特徴づけを行う. 任意の 3 次元可微分多様体は,シャドーとよばれる 2 次元の多面体により 組み合わせ的に表示することができる. ここで,3 次元多様体は,その多面体上の「S^1 束」として構成される. シャドーはもともと 1990 年代に Turaevにより定義され, 量子不変量の研究に用いられているが, Costantino と Thurston は 2008 年に出版された論文において, 3 次元多様体のシャドーを使って3 次元多様体の Gromov ノルムの 上からの評価を与えた.

本講演では,シャドーによって表される 3 次元多様体に対し, そのシャドーを Stein分解の一部とみなすことで,多様体の安定写像を構成する. 帰結として,3 次元多様体が許容する安定写像の特異ファイバーの (重み付き)総数の最小数と,シャドーの頂点の最小数が一致することが分かり, これによってこの数と多様体のGromov ノルムが関連付られることを説明する.

本講演の内容は石川昌治氏(東北大学)との共同研究に基づく.



2015年 6月会合

日時:
6月20日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
齋藤 昌彦 氏 (University of South Florida)
題目:
Properties of four-valent rigid vertex graphs motivated from DNA assembly
アブストラクト:
DNA assembly in certain species of ciliates can be modeled by graphs with four-valent rigid vertices, possibly with end points, called assembly graphs. In this talk, the assembly graph model is explained, and some properties of assembly graphs are discussed, that are motivated from this model.

Assembled DNA segments are modeled by a certain type of paths in graphs called Hamiltonian polygonal paths, and the recombination is modeled by smoothings of vertices along the paths. The minimum number of such paths for a given graph is called the assembly number. Findings and properties of the assembly number will be presented.

The genus range of a rigid vertex graph is the set of values of genera over all surfaces into which the given graph is embedded cellularly (where the complement consists of open disks), preserving the specified cyclic order of edges at each vertex. The genus ranges of four-valent rigid vertex graphs are studied, when the surfaces are orientable. We investigate which sets of integers can be realized as genus ranges. Computer calculations are presented, which play key roles in some results. Similar genus ranges for chord diagrams are also studied. Unsolved problems and conjectures are discussed.



2015年 5月会合

日時:
5月16日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター

Speaker:
Patrick Dehornoy (University of Caen, France)
Title:
The many solutions of the braid isotopy problem
Abstract:
We shall review some of the (many) solutions for the word problem of Artin braids, with a special emphasis on three methods: one algebraic method, the Garside normal form of braids, and two more topological methods, namely Bressaud's algorithm and Dynnikov's corrdinates, which both relie on a relaxation principle.
Slides:
without scrolling (450 kB), or with scrolling (2.5 MB)

Speaker:
Sergei Matveev (Chelyabinsk State University and Russian Academy of Sciences)
Title:
Dijkgraaf-Witten invariants over Z_2 for 3-manifolds.
Abstract:
We compute the Dijkgraaf-Witten invariants over Z_2 for 3-manifolds using Arf-invariants of certain quadratic maps. For twice orientable Seifert manifolds we get explicit formulas.



2015年 4月会合

日時:
4月18日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
岸本 健吾 氏 (大阪工業大学)
題目:
Simple ribbon fusions and simple ribbon knots
アブストラクト:
An m-ribbon fusion on a knot K is an m-fusion of K and an m-component trivial link O which is split from K and each of whose components is attatched by a unique band to a component of K. The m-ribbon fusion is called a (m-)simple ribbon fusion if O bounds mutually disjoint disks D which are split from K such that each disk of D intersects with one of the bands B for the ribbon fusion exactly once and each band of B intersects with one disk of D exactly once. We call a knot obtained from the trivial knot by a finite sequence of simple ribbon fusions a simple ribbon knot. All ribbon knots with no more than 9 crossings, Kinoshita-Terasaka knot, and Kanenobu knots are simple ribbon knots. In this talk, we give a necessary condition for satellite knots to be simple ribbon knots. As a consequence, we show that a (p,q)-cable of any ribbon knot (p>1) is not a simple ribbon knot. This is a joint work with Tetsuo Shibuya and Tatsuya Tsukamoto.
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2014年12月会合

日時:
12月 6日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
金 英子 氏(大阪大学)
題目:
Dynamics of the monodromies of the fibrations on the magic 3-manifold
アブストラクト:
曲面 F 上の 擬アノソフ同相写像を f とし, f の写像トーラスを M とする. M の 2 次元ベッチ数が 1 より大きいと仮定する. このとき, M は F とトポロジーが異なる無限個のファイバーを許容し, 各ファイバーの上の M のファイブレーションのモノドロミーとして擬アノソフ写像が取れる (W. Thurston の定理). M が許容するファイバーの族を F_i とし, その上のモノドロミーの族を f_i とするとき, f_i は, もとの擬アノソフ f からどのようにして得られるだろうか? また f_i の train track 写像は, f の train track 写像とどのような関係があるだろうか? この講演では, M が特にマジック多様体 N の場合に, モノドロミー f_i やその train track 写像を具体的に構成する. その応用として, マジック多様体 N の一つのカスプを, N のファイバーの境界スロープに沿ってDehn filling して得られる双曲ファイバー多様体 (例えば, Whitehead link の補空間や (-2,3,8)-pretzel link の補空間) についても, 各ファイバーのモノドロミーが具体的に記述できる. 時間があれば, 擬アノソフの minimal dilatation の問題について触れ, minimal dilatation を実現することが予想されている擬アノソフの族の``形''について考察する.



2014年11月会合

日時:
11月 8日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
鈴木 咲衣 氏 (京都大学数理解析研究所/白眉センター)
題目:
The universal sl2 invariant and Milnor invariants
アブストラクト:
A central problem in low-dimensional topology is to get some topological understanding of quantum invariants. The universal sl2 invariant of string links has a universality property for the colored Jones polynomial of links, and takes values in the h-adic completed tensor powers of the quantized enveloping algebra of sl2. Milnor’s invariant is a classical invariant which is a generalization of the linking number. Habegger and Masbaum showed that Milnor invariants are obtained from a reduced version of the Kontsevich integral. The universal sl2 invariant is a series of finite type invariants, and thus is theoretically obtained from the Kontsevich integral by using a weight system. In this talk, we give a partial construction for such a weight system, and study relationships between Milnor invariants and the universal sl2 invariant. This is a joint work with J.B. Meilhan.



2014年10月会合

日時:
10月11日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
安部 哲哉 氏 (東京工業大学・大阪市立大学数学研究所)
題目:
Annulus twist and diffeomorphic 4-manifolds II
アブストラクト:
We solve a strong version of Problem 3.6 (D) in Kirby's list, that is, we show that for any integer n, there exist infinitely many mutually distinct knots such that 2-handle additions along them with framing n yield the same 4-manifold. This is a joint work with In Dae Jong.



2014年 6月会合

日時:
6月14日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
Speaker:
Daniele Zuddas 氏 (Korea Institute for Advanced Study)
Title:
Cobordism groups of Lefschetz fibrations
Abstract:
In this talk we give a generalization of the notion of Lefschetz fibration, by allowing the base to be an arbitrary manifold. In this setting, we introduce the cobordism groups of Lefschetz fibrations, and we give a relation between these groups and the bordism groups of certain manifolds when the base has dimension 2 or 3.



2014年 5月会合

日時:
5月17日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
門田 直之 氏 (大阪電気通信大学)
題目:
Lefschetz pencils and finitely presented groups
アブストラクト:
From the works of Gompf and Donaldson, a 4-manifold admits a symplectic structure if and only if it admits a genus-$g$ Lefschetz pencil for some $g$. Moreover, Gompf showed that every finitely presented group is realized as the fundamental group of some closed symplectic 4-manifold. It immediately follows that for any finitely presented group $\Gamma$, there exists a genus-$g$ Lefschetz pencil on a symplectic 4-manifold $X$ with $\pi_1(X) \cong \Gamma$ for some $g$. In this talk, given a finitely presentaed group $\Gamma$, we give an upper bounds for the minimal genus, denoted by $g(\Gamma)$, for which it has a genus-$g$ Lefschetz pencil on a symplectic 4-manifold $X$ with $\pi_1(X) \cong \Gamma$. We show this by constructing a genus-$g(\Gamma)$ Lefschetz fibration over $S^2$ admitting a $(-1)$-section such that the fundamental group of the total space is isomorphic to $\Gamma$. This is a joint work with Ryoma Kobayashi (Tokyo university of science).



2014年 4月会合

日時:
4月 5日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
伊藤 哲也 氏 (京都大学数理解析研究所)
題目:
New applications of the Dehornoy ordering to knot theory
アブストラクト:
By utilizing the speaker's previous works we provide new applications of the Dehornoy ordering, the standard left-ordering of the braid groups, to knot theory: A quantum invariant fails to detect the unknot if the corresponding quantum representation is not faithful. This solves Bigelow's conjecturein a stronger form, and in particular, provides a close connection between braid representations and quantum invariants.
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2013年の会合

2013年12月会合
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2013年12月会合

日時:
12月 7日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
Speaker:
Victoria Lebed (OCAMI, Osaka City University / JSPS)
Title:
Braids and homology of algebraic structures: a round trip
Abstract:
Quandle cocycle knot invariants, introduced in the famous Carter-Jelsovsky-Kamada-Langford-Saito paper, provide a beautiful example of an algebraic homology theory with spectacular applications to knot theory. After recalling their construction, we will present our results going in the opposite direction. Namely, using some tools from braid theory, we develop a general algebraic "braided homology" theory. To complete the loop of ideas, we will interpret quandle (co)homology as a particular case of braided (co)homology. Homology theories for other structures (e.g., associative and Lie algebras) will also be given a "braided" treatment. This gives a conceptual explanation of the parallels between homology theories of associative and self-distributive structures, noticed and exploited by J. Przytycki.

Speaker:
Arnaud Mortier (OCAMI, Osaka City University)
Title:
Gauss diagrams invariants for virtual knots.
Abstract:
Gauss diagrams are a combinatorial presentation of knot diagrams, that originally led to the virtual knot theory due to Kauffman. Independent works by Goussarov-Polyak-Viro and Fiedler showed that formal linear combinations of those diagrams are very convenient to describe finite-type invariants. In this talk, I will first give some examples and what kind of information one can get out of them. Then I wish to present several structural theorems about those invariants.



2013年11月会合

日時:
11月 9日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
河内 明夫 氏 (大阪市立大学)
題目:
結び目をどのように教育するか
アブストラクト:
講演者もメンバーに加わる「結び目の数学教育」研究会のプロジェクトとして、 小学校、中学校、高校、大学教養課程などで、結び目を題材とした数学教育の実践活動が行われてきた。 その報告はTeaching and Learning of Knot Theory in School Mathematics, edited by A. Kawauchi and T. Yanagimoto, OCAMI Studies Vol. 4 (2011); Springer Verlag (2012)でなされているが、そこでは結び目を教育の中でどのように生かされたかについて、またその後の取り組みについて報告する。
また、結び目を題材とした「領域選択ゲーム」は, 2を法とした整数係数の多元連立方程式を解く問題と同等となるようなゲームである。 最近、このゲームの幼児版を、小学校入学前の児童を対象にした数学教育のツールとして用いることができるのではないかとの考えから、幼児を対象にその教育効果の調査研究を開始している。 その経過についても報告する。また、結び目を教育する意義についても考察したい。



2013年10月会合

日時:
10月 5日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
Chad Musick 氏 (Nagoya University)
題目:
Fractional bridge indices for virtual knots
アブストラクト:
The bridge index of a virtual knot is usually defined as the lowest number of bridges possible in any diagram of the knot, with virtual crossings ignored for these purposes. In this talk, I discuss an alternate method of measurement. By counting the number of points necessary to partition the knot diagram into strands onto which a partial order can be placed and requiring that virtual crossings (1) be included in this partial order and (2) be induced by the 'type' of one of the strands, it is possible to define the bridge index as half the number of such points. For classical knots, these two numbers agree. For virtual knots, this can result in fractional bridge indices. For example the only 3-crossing virtual knot has bridge index 3/2 by this metric. An explanation of this method of counting, some suggestions on finding the bridge indices, and some results for virtual knots with a low crossing number are given.

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2013年 6月会合

日時:
6月 1日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
蒲谷 祐一 氏(大阪大学)
題目:
曲面群の PGL(n,C) 表現の Fenchel-Nielsen 座標
アブストラクト:
種数 g が 2 以上の閉曲面の(標識付き)双曲計量全体はタイヒミュラー空間として知られている。タイヒミュラー空間は Fenchel-Nielsen 座標によって R^{6g-6} と同相である事が分かる。曲面上の双曲計量は曲面の基本群の PSL(2,R) 表現で決まるので,曲面群の PSL(2,R) 表現やその複素化である PSL(2,C) 表現はよく研究されている。今回 Fock-Goncharov によって導入された座標系を用いる事で,曲面群の PGL(n,C) 表現の Fenchel-Nielsen 座標を構成した (Xin Nie 氏との共同研究)。本講演では Fock-Goncharov 座標の解説から始め,PGL(n,C) 表現の Fenchel-Nielsen 座標の構成法について述べる。

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2013年 5月会合

日時:
5月11日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
鎌田 聖一 氏(大阪市立大学)
題目:
Chart descriptions of non-simple 2-dimensional braids
アブストラクト:
The chart description was first introduced by the speaker to describe simple 2-dimensional braids. In this talk we recall this. Then weconsider chart descriptions for non-simple 2-dimensional braids. In particular, we consider 2-dimensional braids called regular. Any regular 2-dimensional braid can be described by a regular chart, and such regular descriptions are related by certain moves keeping the condition to be regular. Some part of this research is a joint work with Takao Matumoto.
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2013年 4月会合

日時:
4月 6日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター

講演者:
中村 拓司 氏(大阪電気通信大学)
題目:
State numbers of virtual curves and knots
アブストラクト:
A virtual curve $C$ is a generic immersion of several circles to a plane with two types of crossings; classical and virtual. A state of $C$ is a virtual curve $S$ obtained from $C$ by splicing all the real crossings. For each $n>0$, we denote by $s_n(C)$ the number of states of $C$ consisting of $n$ circles. In this talk, we discuss several properties of $s_n(C)$; in particular, we give the upper and lower bounds for $s_1(C)$, $s_2(C)$, and $s_3(C)$. This is a joint work with Y. Nakanishi, S. Satoh, and Y. Tomiyama.
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2012年 4月会合
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2012年 6月会合

日時:
6月23日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター

講演者:
門田 直之 氏(京都大学)
題目:
曲面上の曲面束, Lefschetz束のsection
アブストラクト:
Lefschetz束とは有限個のある特異ファイバーを除いて曲面上の曲面束となるものをいう. Lefschetz束は「足し合わせる」ことで新しいLefschetz束を構成できることが知られている. そこでLefschetz束の構成要素となる最小単位のLefschetz束を考える必要がある. 本講演では, Lefschetz束のsectionの自己交差数と呼ばれる値と最小単位のLefschetz束との関係を紹介する. また, Lefschetz束の底空間の種数の違いによる相違も紹介したい. 本研究は, R. Inanc Baykur氏(Brandeis University)とMustafa Korkmaz氏(Middle East Technical University)との共同研究である.

講演者:
秋吉 宏尚 氏(大阪市立大学)
題目:
錐双曲構造の具体的構成について
アブストラクト:
3次元多様体の幾何構造の研究において,錐状の特異な近傍を持つことを許す滑らかではない構造を経由することで異なる幾何構造をつなぐことにより,幾何構造を構成したりその分布を調べたりすることは有効な手段の一つである. 本講演では,穴あきトーラスクライン群に対するJorgensen理論で用いられたものと類似の手法により,錐特異点を一点だけ持つトーラスと区間の直積として得られる3次元錐多様体上の錐双曲構造を具体的に構成する.
そのような手法で構成される錐双曲構造のホロノミー表現として,生成元の交換子積を楕円的元へと写像する,2元生成自由群のPSL(2,C)表現が得られる. S.P.Tan氏らは,2元生成自由群のSL(2,C)表現から生じる指標多様体への写像類群作用を力学系的観点から研究し,BQ条件と呼ばれる代数的なある種の有限性条件を導入した. 具体的構成により得られる錐双曲構造のホロノミー表現とBQ条件との関連についても述べる.

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2012年 5月会合

日時:
5月19日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第3ビル 19階
大阪産業大学 梅田サテライト

講演者:
J. Scott Carter 氏(University of South Alabama (visiting Kyungpook National University))
題目:
How to Fold a Manifold
アブストラクト:
This is based upon Joint work with Seiichi Kamada. Consider a sphere, $S^{k+2}$ of dimension $k+2=1, 2, 3,$ or $4.$ A method, based on the theory of braid charts, is developed to embed any 2-fold branched cover, $f: M^{k+2} \rightarrow S^{k+2}$ branched along an oriented $k$-dimensional link $L^k$ into $S^{k+2} \times D^2$ in such a way that the projection induces the covering map. Thus the cover is a $2$-braid over $S^{k+2}$. More generally, any irregular simple branched cover of $S^{k+2}$ may be immersed into $S^{k+2} \times D^2$ such that the projection induces the covering. We indicate the nature of the obstructions to embeddings and demonstrate many examples.

講演者:
野坂 武史 氏(京都大学数理解析研究所 / 日本学術振興会特別研究員PD)
題目:
Topological interpretation of the quandle cocycle invariants of classical links
アブストラクト:
In '99, Carter etc. introduced the quandle cocycle invariants combinatorially constructed from link-diagrams. We give a topological meaning of the invariants for some quandles over finite fields, without 2-torsion. Precisely, this invariant equals a sum of "knot colouring polynomial" and of a Z-equivariant part of the Dijkgraaf-Witten invariant. Moreover, our approach involves applications to compute "good" torsion subgroups of the 3-rd quandle homologies and the 2-nd homotopy groups of rack spaces, more generally, for connected quandles.

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2012年 4月会合

日時:
4月 7日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター

講演者:
中西康剛 氏 (神戸大学)
題目:
Crossing information and warping polynomials about the trefoil knot.
アブストラクト:
We go along a knot diagram and get a sequence of over- and under- crossing points. We will study which kinds of sequences are realized by diagrams of the trefoil knot. As an application, We will characterize the Shimizu warping polynomials fordiagrams of the trefoil knots.

講演者:
金信 泰造(大阪市立大学)
題目:
SH(3)-move and other local moves on knots
アブストラクト:
An $SH(3)$-move is an unknotting operation on oriented knots introduced by Hoste, Nakanishi and Taniyama. We consider some relationships to other local moves such as a band surgery, $\Gamma_0$-move, and $\Delta$-move, and give some criteria for estimating the $SH(3)$-unknotting number using the Jones, HOMFLYPT, Q polynomials. We also show a table of $SH(3)$-unknotting numbers for knots with up to 9 crossings.

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2011年の会合

2011年 11月会合
2011年 6月会合
2011年 5月会合
2011年 4月会合
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2011年11月会合

日時:
11月19日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター

講演者:
Jonathan A. Hillman 氏 (University of Sydney)
Title:
The Fox 2-knot
Abstract:
In his famous survey article "A quick trip through knot theory", Ralph Fox used the motion-picture method to construct a 2-knot with group having commutator subgroup the dyadic rationals. This knot (his Example 10) is in fact a ribbon 2-knot, and so is determined by its exterior. We shall show that it is determined up to topological isotopy and reflection by its group. This is an application of ideas used in studying the homotopy types of "strongly minimal" 4-manifolds, with fundamental groups of geometric dimension 2. (Once the homotopy type of the knot manifold is known, the result follows easily from known surgery arguments.)
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2011年 6月会合

日時:
6月11日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター

講演者:
安部 哲哉 氏(京都大学数理解析研究所)
題目:
The Rasmussen invariant of homogeneous links
アブストラクト:
For a link, Lee introduced a filtered homology group, which is related to Khovanov homology. Rasmussen used the filtration to define a knot concordance invariant. Beliakova and Wehrli also used the filtration to define a link concordance invariant. In this talk, we determine the Rasmussen invariant of homogeneous links. If time permits, we consider a two component link which is topologically concordant to the Hopf link, however, not smoothly concordant to the Hopf link.
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2011年 5月会合

日時:
5月14日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター

講演者:
張 娟姫 氏(広島大学)
題目:
Bridge numbers of links and minimal numbers of meridian generators of their groups
(joint work with Michel Boileau, University of Toulouse III)
アブストラクト:
Cappell and Shaneson asked in the Kirby's Problem List in Low-Dimensional Topology whether the bridge number of a link and the minimal number of meridian generators of its group coincide. Several partial answers have been obtained by Boileau, Rost, Zieschang, Zimmermann and so on. We give another partial answer to the Cappell-Shaneson's question. More precisely, we show that the bridge number of an arborescent link is 3 if and only if the minimal number of meridian generators of this group is 3.

講演者:
北山 貴裕 氏(京都大学数理解析研究所)
題目:
Non-commutative Reidemeister torsion and Morse-Novikov theory
アブストラクト:
For a circle-valued Morse function of a closed oriented manifold, we show that Reidemeister torsion over a non-commutative formal Laurent polynomial ring equals the product of a certain non-commutative Lefschetz-type zeta function and the algebraic torsion of the Novikov complex over the ring. This gives a generalization of the results of Hutchings-Lee and Pazhitnov on abelian coefficients. As a consequence we obtain Morse theoretical and dynamical descriptions of the higher-order Alexander polynomials.
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2011年 4月会合

日時:
4月16日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター
講演者:
伊藤 哲也 氏 (東京大学数理科学研究科)
題目:
トーラス結び目群のエキゾチックな不変順序
アブストラクト:
結び目の補空間の基本群は左不変順序を持つことが知られている。 今回、トーラス結び目(の補空間の基本)群上に、特別な性質を持つ 「エキゾチック」な不変順序を構成する。 この順序はbraid群のDehornoy順序と類似の性質を持ち、群の構造と密接に関係 している。 特に、こうした「特別な」順序の存在は補空間の幾何構造などとも関連している ことが期待される。 また、関連した話題についても紹介する。

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2010年の会合

拡大KOOKセミナー2010
2010年 6月会合
2010年 5月会合
2010年 4月会合
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2010年 6月会合

日時:
6月19日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター


講演者:
三浦 嵩広 氏 (佐賀大学)
題目:
絡み目の flat braidzel surface について
アブストラクト:
L.Rudolph により導入された絡み目の braidzel surface の特別な場合として, 絡み目の flat braidzel surface が定義される. braidzel surface が任意の(向き付けられた)絡み目の Seifert surface として与えられることは 中村拓司氏により既に示されているが,この講演では flat braidzel surface についても同様のことを示す. また,絡み目がもつ braidzel surface の最小種数として中村拓司氏により定義された braidzel genus と, そのflat版である flat braidzel genus の間の差についても考察する. 時間があれば,その差が0となるための十分条件をいくつか紹介する.


講演者:
中村 伊南沙 氏 (京都大学数理解析研究所)
題目:
自明なトーラスの被覆の形をした曲面結び目
アブストラクト:
任意の向きづけられた曲面結び目は、ある単純曲面ブレイドの閉包の形で、すなわ ち自明な球面上の単純分岐被覆の形で表すことができることがよく知られている。こ れは1次元のAlexanderの定理の2次元版である。

そこで、曲面結び目の新たな構成法として、自明な球面を自明なトーラスにするとい う方法が考えられる。すなわち、自明なトーラスの単純分岐被覆の形をしている曲面 結び目というものを考えることができる。このような曲面結び目をトーラス被覆結び 目 (torus-covering link)と呼ぶことにする。2次元結び目 (球面の埋め込みである 曲面結び目)は、種数がゼロなのでトーラス被覆結び目には含まれない。

周期性のある1次元結び目を、円周に沿って1周する間に軸に関して有理数回回転し て構成される曲面結び目をシンメトリースパントーラスという。構成法から、トーラ ス被覆結び目はシンメトリースパントーラスを含む。シンメトリースパントーラスは その結び目群が1次元の結び目群であることが知られている。

この講演ではまずトーラス被覆結び目を定義し、次に結び目群が1次元結び目群でな い、トーラス型のトーラス被覆結び目の例を紹介する。これは上記の事実から、シン メトリースパントーラスでないトーラス型のトーラス被覆結び目の例である。

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2010年 5月会合

日時:
5月 8日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター


講演者:
花木 良 氏 (奈良教育大学)
題目:
Pseudo diagramに関する話題について
アブストラクト:
結び目の影(射影像)から元の結び目が自明であるか非自明であるかを 判定するにはどの二重点に着目すればよいかという問題から, 講演者は準射影図〔pseudo diagram〕,自明化数〔trivializing number〕, 非自明化数〔knotting number〕を定義した. 講演では,まず準射影図と自明化数の定義,自明化数の求め方を紹介する. 自明化数を応用して,ダイアグラムの結び目解消数が交点数マイナス2となる ダイアグラムの特徴づけの結果(安部哲哉氏と比嘉隆二氏との共同研究) を紹介する.また,結び目の自明化数について考察する.


講演者:
野坂 武史 氏 (京都大学数理解析研究所)
(東京農工大学  畠中英里氏との共同研究)
題目:
4-fold symmetric quandle invariants of 3-manifolds
アブストラクト:
畠中は,閉3-manifoldの4重の分岐被覆を用いてDijkgraaf-Witten不変量をquandle cocycle不変量として再構成した.本研究では,逆に閉3-manifoldの不変量を構成する 条件をsymmetric quandleの公理に附し, 4-fold symmetric quandleを導入した.こ れを使い,quandle空間の2次homotopy群の商群に値を持つ4-fold symmetric quandle homotopy不変量を定義した. まず4-fold symmetric quandleを分類した.系として, このquandleの成す圏が,群 と対合中心元との組の成す圏と圏同値である事が導かれる.さらに有限の4-fold sym metric quandleにおける内部自己同型群を決定した.これから,2次のquandle homol ogy群や上記のhomotopy群の計算と評価を可能にした. また,4-fold quandle cocycle 不変量も導入したが,原理的には上記のhomotopy不 変量と等価となる事が分かった.この不変量の計算例や応用例,Chern-Simons不変量 の関連についても述べる.さらに3-manifoldの基本quandleと基本類を導入し, 我々 の不変量に幾何的解釈を与える.この解釈により群の有向bordism 群の関連を与えた。
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2010年 4月会合

日時:
4月 10日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター

講演者:
葉廣 和夫 氏 (京都大学数理解析研究所)
題目:
結び目のreduced colored Jones polynomialについて
アブストラクト:
絡み目のcolored Jones polynomial (CJP)は、正の整数 n によって色づけられた 枠付き絡み目の不変量で、Laurent多項式環に値を持つ。 ここで、正の整数 n は 量子群U_q(sl_2)のn次元既約表現に対応している。 DasbachとLinは、交代結び目の(normalizeされた) colored Jones polynomial の初めの3項が、n を増やしていくことにより収束することを証明し、 同様の操作により、一般にすべての項が収束して、形式的べき級数がえられると予想した。

非負整数 k に対して、結び目の k 番目 K のreduced colored Jones polynomial は, 1次元表現からk+1次元表現までに対応するcolored Jones polynomialのある一次結合であ る。 この不変量に対して、DasbachとLinと同様の方法で、形式的べき級数が得られるかどうか を考える。コンピュータを使った具体例の計算によると、 交代結び目と正結び目の場合には、そのような形式的べき級数が得られると予想される。 特に、正結び目の場合には、得られる形式的べき級数のすべての係数が非負であるという 著しい性質も予想される。

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2009年の会合

2009年 6月会合
2009年 5月会合
2009年 4月会合
2009年 1月会合
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2009年 6月会合

日時:
6月 6日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター

講演者:
栗屋 隆仁 氏 (京都大学数理解析研究所)
題目:
有理ホモロジー3球面のG-自由エネルギーについて
アブストラクト:
有理ホモロジー3球面Mに対して、LMO不変量のlogを考えることがで きる。これをLie群Gで評価したものをG-自由エネルギーと呼ぶ。G=U(N)の場合、これ は整ホモロジー3球面に対しては、チャーン-サイモンズ自由エネルギーと呼ばれてい る不変量と等価である。一方、Mのチャーン-サイモンズ自由エネルギーとMに付随し たカラビ-ヤウ多様体のグロモフ-ウィッテン自由エネルギーの間にはゴパクマー-ヴァ ファのラージN双対性が予想されていて非常に興味深い。今回はそれらを概観し、G- 自由エネルギーの係数の性質を調べる。

Speaker:
Iain Aitchison 氏 (The University of Melbourne)
Title:
A concept of genus for finitely presented groups
(joint work with Lawrence Reeves, University of Melbourne)
Abstract:
Every finitely presented group arises as the fundamental group of an orientable compact manifold of any chosen dimension 4 or greater. Most groups do not occur as fundamental groups of 3-dimensional manifolds.

For any compact orientable 3-manifold with non-empty boundary, add a cone to a point from one of its boundary components. We prove that every finitely presentable group arises as the fundamental group of such a space, and define the genus of the group as the smallest possible genus of coned boundary component giving a space with this fundamental group.

Fundamental groups of orientable 3-manifolds are exactly the groups of genus 0, and are theoretically now understood due to Perelman's results. Our work raises questions concerning the applicability of 3-manifold techniques to understanding finitely presented groups, and to decidability questions for calculating the genus of a group, and for determining whether or not two groups of the same genus are isomorphic.

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2009年 5月会合

日時:
5月16日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター

講演者:
佐藤 進 氏 (神戸大学)
題目:
The 2-twist-spun figure-eight knot has the triple point number eight.
アブストラクト:
In 2004, Hatakenaka proved that if an orientable surface-link has a non-trivial 5-dihedral quandle invariant, then the triple point number is greater than or equal to SIX. In this talk, we prove that the best lower bound is equal to EIGHT, which is attained by the 2-twist-spun figure-eight knot and another surface-link. The calculation is done without computer by introducing several kinds of involutions among quandle chains. We also discuss two related topics --- a twist-spun tangle with a circle, and a coloring of an upside-down diagram.

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2009年 4月会合

日時:
4月 11日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター

講演者:
中西 康剛 氏 (神戸大学)
題目:
On Alexander polynomials of knots for which a crossing change yields a trefoil knot
アブストラクト:
By the works of Kondo and Sakai, a characterization of Alexander polynomials of knots for which a crossing change yields a trivial knot. In this talk, we will give an approach to characterlize Alexander polynomials of knots for which a crossing change yields a trefoil knot.

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2009年 1月会合

日時:
1月 24日(土)
午後1時半から
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター

---2008年度修士論文大発表会---

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2008年の会合

2008年 6月会合
2008年 5月会合
2008年 4月会合
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2008年 6月会合

日時:
6月 7日(土)
午後1時半から(招待講演+自由講演)
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター

Speaker:
Yoav Rieck 氏 (University of Arkansas)
Title:
A linear bound on the genera of Heegaard splittings with distances greater than two (Joint work with Tsuyoshi Kobayashi)
Abstract:
Let N be a closed, orientable 3-manifold that admits a triangulation with t tetrahedra. Let F be a Heegaard surface for N. S. Schleimer showed that if g(F) \geq 2^{2^{16}t^2}, then the Hempel distance of F (denoted by d(F)) is at most two. We prove the following generalization: Let M be an orientable 3-manifold that admits a generalized triangulation with t generalized tetrahedra. Let S be a Heegaard surface for M. If g(S) \geq 76t+26, then d(S) \leq 2.

As a corollary we show that there exists a constant K, so that if M is a generic hyperbolic 3-manifold, then any Heegaard splitting of genus K Vol(M) + 26 has distance at most 2. The exact meaning of the term "generic" will be explained in the talk.

Speaker:
Ser Peow Tan 氏(National University of Singapore)
Title:
On the SL(2,C) character variety of the one-holed torus
Abstract:
The SL(2,C) character variety of the one-holed torus has rich connections with various branches of mathematics including hyperbolic geometry, Teichm\"uller theory, low dimensional topology, dynamical systems and mathematical physics. We will talk about some of these connections, and some of the results we have obtained with various joint authors (Yan Loi Wong, Ying Zhang, Yasushi Yamashita, Makoto Sakuma, Shawn Ng and Haibin Wang) in these directions.

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2008年 5月会合

日時:
5月 10日(土)
午後1時半から(招待講演+自由講演)
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター

Speaker:
Joseph Maher 氏 (Oklahoma State University)
Title:
Random walks on the mapping class group.
Abstract:
The mapping class group of a surface is the group of all diffeomorphisms of the surface to itself, up to isotopy. If the surface is a disc with punctures, then this gives rise to the braid groups. We will discuss various asymptotic properties of random walks on these groups, i.e. what happens as the length of the random walk tends to infinity? In particular, the probability that a random walk of length n is pseudo-Anosov tends to one, as n tends to infinity, and if you use a random walk on the mapping class group of a closed surface as a gluing map for a Heegaard splitting, the probability that you get a hyperbolic manifold tends to one.

Speaker:
Tamas Kalman 氏 (The University of Tokyo)
Title:
Contact homology and 1-parameter families of Legendrian knots
Abstract:
I will start with introducing natural Legendrian representatives of braid-positive knots and using them to illustrate some of the basic ideas in Legendrian knot theory. Then I will explain how one can use a monodromy invariant (induced on the contact homology of the Legendrian knot) to produce examples of S^1-families that are non-contractible in the space of Legendrian knots, even though they do contract in the space of smooth knots.

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2008年 4月会合

日時:
4月 5日(土)
午後1時半から(招待講演+自由講演)
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター

講演者:
森元 勘治 氏 (甲南大学)
題目:
Essential surfaces in the exteriors of torus knots with twists
アブストラクト:
(p, q) トーラス結び目の標準的な表示において、p 本の平行な部分から r 本を取り出し (1 < r < p) 、s 回ひねって得られる結び目を K(p, q ; r, s) と書きます。本講演では、この K(p, q ; r, s) の補空間に本質的な閉曲面が入るかどうかということを考察します。得られた結果は r = 2 のときはそのような閉曲面は入らないということと、r が合成数ならば、p と q をうまく選ぶことにより、本質的なトーラスを入れることができるということです。後者の結果は電気通信大学の山田裕一さんとの共同研究です。このような結び目 K(p, q ; r,s) は、トンネル数の加法性問題と深く関わっており、私はそちらの方面の興味から研究を行っています。しかし、デーン手術とも深く関わっており、山田さんとの共同研究はそちらの方面からの研究がきっかけとなっております。さらに最近では、このような結び目の補空間のヒーガード分解に関する研究も行われており、とても興味深い結び目です。発展としては、r が 2 より大きい素数の場合の考察が重要になると思います。なお、本講演の結果は、2000年の暮れに証明できたと主張しましたが、その後間違いが見つかり、紆余曲折を経て、最近ようやくまとまりました。

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2007年の会合

2007年 8月拡大KOOK & 日韓院生Workshop
2007年 6月会合
2007年 4月会合(2)
2007年 4月会合(1)


Kyungpook National University BK21, Pusan National University BK21, Osaka City University 21COE Joint Graduate Student Workshop on Mathematics (日韓院生Workshop)
8月27日 - 28日
大阪市立大学
 
拡大KOOK & Intelligence of Low Dimensional Topology (pdf)
8月29日 - 9月1日
大阪市立大学
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2007年 6月会合

日時:
6月 2日(土)
午後1時半から(招待講演+自由講演)
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター

講演者:
落合 豊行 氏 (奈良女子大学)
題目:
Concurrent paralllel computations of base tangle decompositions of n-tangles (n < 10)
アブストラクト:
  1. tangle decompositions of knots and links
  2. base tangles and oriented ordered tangle
  3. base tangle decompositions of knots and links
  4. base tangles by ordered number sequences
  5. 3-parallel version HOMFLY polynomials of knots
  6. parallel computations of HOMFLY polynomials of knots by network computers
  7. concurrent computations of HOMFLY polynomials of knots by multi-CPU
  8. integralations of computer software related with low-dimensional topology, such as Snappea, K2K, and btd
  9. demonstrations
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2007年 4月会合(2)

日時:
4月 28日(土)
午後1時半から(招待講演+自由講演)
(会場利用時間:午後1時から午後5時)
場所:
大阪駅前第2ビル 6階
大阪市立大学文化交流センター

講演者:
岩切 雅英 氏 (大阪市立大学)
題目:
The lower bound of the $w$-indices of surface links via quandle cocycle invariants
アブストラクト:
The $w$-index of a surface link $F$ is the minimal number of the triple points of surface braids representing $F$. For given quandle $3$-cocycle $f$, we define $\omega(f)$ as the minimal number of the $w$-indices of surface links whose quandle cocycle invariants associated with $f$ are non-trivial. In this talk, we show that $\omega(\theta)\geq 6$, $\omega(\theta_3)=6$ and $\omega(\theta_n)\geq 7$ where $\theta$ is a $3$-cocycle of a quandle $Q$ such that for any $x,y\in Q$, $x=y$ if $x*y=x$, $\theta_p$ is the Mochizuki’s $3$-cocycle of the dihedral quandle whose order is odd prime $p$ and $n\not=3$.
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2007年 4月会合(1)

日時:
4月 7日(土)
講演者:
塚本 達也 氏 (大阪工業大学)
題目:
Special positions for spanning surfaces in link complements
アブストラクト:
We study links using the crossing-ball technique of W.Menasco and define special positions for spanning surfaces in link complements. We show that if a given spanning surface is in special position, then the boundary of a neighborhood of the surface is in standard position. Thus we can work on a closed surface in the link complement instead of working on a surface with boundary. We also mension that if a link admits an almost alternating diagram, then we can cut its spanning surface to be in special position.

講演者:
市原 一裕 氏 (奈良教育大学)
題目:
Waist size and exceptional fillings for cusped hyperbolic 3-manifolds
アブストラクト:
The well-known Hyperbolic Dehn surgery Theorem due to W. Thurston says that a hyperbolic 3-manifold with single cusp can admit only finitely many Dehn fillings yielding non-hyperbolic 3-manifolds, which is now called exceptional fillings. Then C.McA. Gordon proposed a conjecture; there are at most 10 exceptional fillings for each hyperbolic 3-manifold with single cusp, which is still open. In this talk, we will show that if a hyperbolic 3-manifold with single cusp has the waist size bigger than 1.79, then it admits at most 10 exceptional fillings. Here the waist size of a hyperbolic 3-manifold with single cusp is defined as the length of the shortest nontrivial curve in the maximal horotorus for the cusp.
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